ユーザー登録
文字サイズ

市報松江 2019年7月号

コラム神国の首都 Vol.116

5/54

島根県松江市 クリエイティブ・コモンズ

ラーメンの具材でまず思い浮かべるもの…。2年前の国麺調査(こんな調査があるのですね)によると、具材の人気ナンバーワンはチャーシューで、煮卵、ネギ、メンマ、モヤシと続くそうです。厚くて柔らかなチャーシューに味がしみ込んだ煮卵、しゃきっとした歯ごたえのメンマが乗った、飛び切りうまいラーメンに出合おうものなら1日、いや数日は幸福感に浸っておれようというものです。
上位5位のうち唯一海外産のものがあるのをご存知ですよね。そうメンマ。中国や台湾に生えている麻竹(マチク)が原材料のため、国内に流通しているメンマの99%以上を海外産が占めているとか。でも、100%海外産ではないのです。わずかな隙間に国産が食い込んでいるのです。それは何なのか―。

■メンマと化す竹とは?
わが物顔でのさばり、放置林が問題となっている太くて長い竹。中国原産の外来種なのですが、日本には801(延暦20)年に京都の僧が唐から、あるいは曹洞宗の開祖・道元(1200~55年)が宋からわざわざ持ち帰ったとされる、いわくつきの竹。また、薩摩藩では清から取り寄せ、「お留めの竹」として藩外への持ち出しを固く禁じたことでも知られる竹。その名は母思いの孟宗(三国時代の呉の人物)に由来する竹。そう、孟宗竹(モウソウチク)なのです。
その昔は貴重で由緒正しき?存在の孟宗竹だったのですが、すさまじい繁殖力までは、さしもの道元も見抜けなかったようで、いたるところで繁茂しているのはご承知の通り。今や厄介者と化した孟宗竹がメンマとなり、シャキシャキとした歯ごたえに加え、ほのかな甘みもあって引く手あまたと言うから驚きです。

■竹林整備と産業興し
福岡県糸島市にあるメンマ専門メーカーが数年前から孟宗竹を使ったメンマ作りを手掛け、製法や技術の普及にも力を入れているというのです。伸び放題のタケノコを切ることで放置林は整備されてメンマの畑に、竹林の所有者には収入が入り、新たな雇用が生まれ、ラーメン屋さんも消費者も大満足―。こんな理想的なサイクル実現のため、このメーカーでは出張講習を各地で行い、全国的にジワリと輪が広がっているといいます。
舟下りで知られる天竜川(長野県飯田市)が、その一例。川岸の斜面に生える孟宗竹が伸びすぎて景観を台無しにしていたそうですが、伐採してすっきりとし、作ったメンマはすぐ売り切れになるとか。栃木県でも企業と大学が連携して国産メンマ作りに取り組んでおり、これなら島根でもできる、やってみる価値はあると思うのです。

■メンマ作り実践中!
いや、自分でもできるはずと、わが家の竹林ならぬ雑木林に入り、背丈ほどに伸びた孟宗竹を数本切り、ゆがいてあく抜きをしてから塩漬けに。1カ月の塩漬けで発酵したタケノコを数日天日干しし、塩抜きをして味をつければ国産メンマの出来上がりとなるはずです。初チャレンジで現在進行中につき失敗の可能性大なのですが、頭に思い浮かぶのは出来上がったメンマ、チャーシューとネギがたっぷり入ったラーメンをズルズルとすするわが姿。孟宗竹だけにグングンと妄想が膨らんでしまうようでございます。
(瑛)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル
協力 松江市 〒690-8540 島根県松江市末次町86